【カフェ】本当に古いサイゴン喫茶
ここ数年、チンイクス"9X"とよばれる90年代うまれを中心に
ホーチミン市がまだサイゴンだった時代を思い起こさせるようなカフェが流行しています。
スマホでいつでもどこでもつながれる時代を生きる90年代以降生まれの若者たち。
この世代に話を聞く機会があったときに、心のどこかでいつも寂しさがある、といったことを思い出します。
つながっているようで、つながっていない。心が通っていない、といったニュアンス。
だからこそ、この国がまだ発展していなかった時代に対して、
一種の「うらやましい」気持ちがあるのだといいます。
何もなかったけれど、心が豊かだった頃。
そんな時代に戻りたいという気持ちがこのブームの根底にあるのでは、と私は感じています。
昔のおばあちゃんの家の記憶、雑誌やインターネットで見た昔の風景。
そういったものを思い起こして作ったのが、流行のサイゴン風カフェ。
新しいもの好きのサイゴンの若者たち。
原点に立ち返ったかのようにも思えるし、新しい自分たちだけの”サイゴン”を創ったとも思える。
私はどちらかというと後者のようにとらえています。
理由は、サイゴン風のレトロなカフェは流行するものの、本当に古いカフェには無関心のように思えたから。
いつもエネルギーに満ちていて、最先端にいなきゃ気が済まないような。
なんだかんだ、流行を創るのが好きなんだろうなサイゴンッ子は! という印象だったのです。
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とここからが本題です。
それが最近ベトナム人の友人から、本当に古いカフェを好きな人たちが増えてきていると聞きました。
その代表が、先日UPした(https://khongsaodau.amebaownd.com/posts/2499809)この記事のカフェ。
それから今日見つけたのも、茶をしばきにきたおじさんたちと90年代生まれの若者たちが同じ空間にいるという独特の雰囲気をもつ喫茶店でした。
外では珈琲を飲みながら、やんややんやしゃべり倒しているおっさんたち。
そして相席になったのは20歳そこそこの男子グループ。
なんで若いのにこういうカフェが好きなの?と聞いてみると、
昔のこの街のスタイルを忘れたくない、サイゴン時代が大好き、雰囲気が落ち着く、という答えが。
日本でも、昔ながらの純喫茶に若者が興味をもったり、きっとそういう感覚で
これもまたこの世代の子たちにとってはso coolなことなのだと思います。
とはいえ、数ある老舗喫茶の中で選ばれる理由はきっとあって、
この喫茶店に関していえば居心地の良さに尽きるのではないかと。
老舗といえど、長居ができるテーブルとイス、wifiあり。
店内には一昔前の洋楽がかかっていて、それがとても心地良いちぐはぐ感。
わたしも思わずここでポストカードを書き書きしてしまうほど、よかった。
こういった老舗は、ある意味とてもハードルが高く、
アウェイ感というか居心地の悪さを感じてしまうものですが、なんだか不思議な空気。
この喫茶店は、とても大好きになりました。
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