【カフェ】11区の老舗珈琲店
変わっていくものと、変わらないものがある。
先日そんなことを書きましたが、今日は変わらないものについて。
今、新しいタイプのカフェが続々登場しているホーチミン市。
ベトナムの珈琲豆をきちんと味わうカフェや、
この街がサイゴンと呼ばれていた時代の記憶をたぐりよせたようなレトロなカフェなどがその筆頭。
そんな中浮かんできたのは、ホーチミン市の老舗と呼ばれるカフェってどんなところなんだろうという好奇心でした。
調べてみた結果、数十年と続いているカフェは「中華系」が多いということ。
とても不思議な面白さを感じ、いくつかの老舗カフェをチェックしているところです。
訪れたのは、11区のティエック市場近くの「オンタン/Ong Thanh」。
普通の民家のような店先では、上半身裸のおじさんらが珈琲を飲みながら賭けごとをしている。
そこに突然新参者、しかも外国人が突入してきたものだから、当然視線が集まります。
けっこうびびるくらいの凝視でしたが、それは居心地の悪さとは別の話。
店が纏う渋くしゃがれた空気感は心地良く、素敵な店に出会えた嬉しさでいっぱいになっていました。
アイスの練乳入り珈琲、カフェスアダー。通常のものより練乳が多め。
私が写真を撮る用にと、この後店主がきちんとした陶器のお茶入れに変えてくれました笑
甘ったるい珈琲を飲みながら、ぼんやりと過ごす時間。
隣ではおしゃべり。その隣では賭けごと。
本来のカフェの機能をしっかりと果たしているお店だと感じました。
そうこうしてるうちに、色んなお客さんが出入り。
上半身裸の親子が来店すると、何か緑色の飲み物を買ってそのままお持ち帰り。
三輪車にのった子どもとおじいちゃんが店の中まで突入。
おばちゃんが何か伝言を残し帰宅。
地元の人々の生活の中に溶け込んでいる様子がとても心地良く、
子ども時代の夕暮れどきが浮かんでくるような懐かしさが込み上げてきました。
最初は怪訝な表情を浮かべていた店主も、少しずつ話をしてくれるようになり
いくつだと聞かれたので33ですと答えると、この店も同じくらいだよと教えてくれました。
他にもおまえは漢字が読めるだろう、とか、フーティウも売ってる朝に来なさい、とか。
ほかにも色々聞きたいことはあったけど、
この店との距離をゆっくりゆっくり縮めて、いつかこの風景に自然に溶け込めるようになりたいと思いました。
Ong Thanh
住所:313 Tan Phuoc St., Dist. 11
5区と同じく多くの中華系ベトナム人が暮らすエリア
http://kenh14.vn/xa-hoi/ca-phe-vot-cuc-ngon-gia-chi-4000-dongly-hut-khach-o-sai-gon-20141030031725692.chn
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